暗号資産およびブロックチェーン技術の急速な発展は新たなイノベーションの機会を生み出すと同時に、特に新興や人気のプロジェクトを狙った詐欺の温床ともなっています。詐欺師は話題性のあるプロジェクト名を利用し、偽のウェブサイト・SNSアカウント・メールを作成してユーザーを誤誘導します。情報ソースが検証済みかつ簡単に入手できない現状では、利用者が本物と偽物を区別するのは困難であり、詐欺被害が横行しやすくなっています。このような課題を背景に、Shieldeum DePIN（ディーピン／分散型物理インフラネットワーク）のようなツールは、フィッシング攻撃からユーザーを守り、Web3プロジェクトとユーザー双方にセキュリティとプライバシーを供給する重要な存在となります。

Shieldeum（シールディウム）とは

ShieldeumはAI搭載型の分散型物理インフラストラクチャネットワーク（DePIN／ディーピン）であり、Web3プロジェクトや暗号資産ユーザーに向けたインターネットセキュリティソリューションを提供します。分散型技術を用いてインターネットの安全性・プライバシー・データ保存を強化しており、暗号化プライベートネットワーク（EPN／イーピーエヌ）による安全な匿名ブラウジング、分散型ストレージプロトコルによる効率的かつ堅牢なデータ保存、ノードによるユーザー保護機能を持つShieldeumローンチパッド（Launchpad／ランチパッド）など、多彩な機能を兼ね備えています。プロトコルはネイティブトークン「Shieldeum（SDM／エスディーエム）」で運用され、プレミアムサービスの利用、ネットワークガバナンス、ステーキングやノード報酬、買戻し（Buyback／バイバック）といった経済インセンティブへのアクセスを実現しています。

Shieldeumの概要

Shieldeumは2022年にシンガポールで創設され、2024年には2度の資金調達ラウンドで合計200万ドル超を調達しました。同年、Web3スタートアップ向けに戦略・資金支援を行うChainGPT Labsのインキュベーションプログラムにも選出され、BNBChain、PancakeSwap、HypeLab、GT Protocolなど多くの暗号資産業界パートナーからも支援を受けています。

Shieldeumアプリ

ShieldeumのDePIN（ディーピン）は、Web3ユーザーのためにサイバーセキュリティを強化し分散型サービスを提供する総合プラットフォームです。Shieldeumアプリを介してアクセスでき、分散型インターネット環境に求められる多様なツールと機能を揃えています。

Shieldeum EPN（イーピーエヌ）

EPN（Encrypted Private Network／イーピーエヌ）は、ブロックチェーンを活用した暗号化と分散型プロトコルによりVPNを拡張した、Web3向けのセキュリティサービスです。一般的なVPNと異なり、Shieldeum EPNはユーザーのIPアドレスをマスキングして地理的制限を回避でき、分散環境における新たな脅威にも柔軟に対応します。現時点ではShieldeum EPN利用に最低100ドル分のSDMトークン保有が必須で、仮想通貨ウォレットや取引の保護、Dapp（分散型アプリケーション）操作やデプロイの安全性確保に役立ちます。EPN利用手順は下記の通りです。

• https://app.shieldeum.net/en/EPNにアクセスし、ご自身のWeb3ウォレット（MetaMask、Trust Wallet、Rainbow Wallet等）を接続します。
• ウォレット接続後、ユーザー名とパスワードでアカウントを作成します。
• アカウントでき次第、利用端末（Windows、macOS、Linux、iOS、Android）用アプリを選択します。
• アプリをダウンロード後、ユーザー名とパスワードでログインしてください。
• クレジットカードや別途決済は不要で、ウォレット内に100ドル分のSDMトークンがあれば利用できます。

Shieldeum EPN（イーピーエヌ）の特徴

• Web3特有のリスク（フィッシングサイト、悪質スマートコントラクトなど）をスキャン・ブロックする
• 悪意あるサイトをリスト化し、今後のアクセスも自動遮断する
• 暗号資産ウォレットやDappの操作を守り、不正アクセスを未然に防止する
• 分散型ノードネットワークで運用し、常時オンライン・高耐障害性・検閲耐性を実現する
• リアルタイムスキャンで潜在リスクを即座に検知し、利用者が安心してウェブ利用可能とする
• プライベートサーバー経由で通信し実IPアドレスを秘匿、追跡や位置情報ベースの標的化を防止する

Shieldeumベアメタルサーバー

ベアメタルサーバーは、単一ユーザーのニーズに特化した専有物理サーバーです。希望するメモリ、ストレージ、ソフトウェア、ネットワーク構成を自在に選択でき、高パフォーマンスと高セキュリティ、完全なサーバーコントロールを実現します。ShieldeumはこのベアメタルサーバーサービスをWeb3・暗号資産事業者向けに提供しており、GoogleやAWS、Leaseweb、THG、Datapacket、i3D.net、Worldstreamらと提携し最適なホスティング環境を構築しています。料金はレンタル機材の内容（CPU、メモリ、ストレージ、データセンター拠点、帯域幅、OS、IPv4アドレス等）により決定され、Dappの利用増加にあわせて容易に拡張可能です。主な用途は以下の通りです。

• ビットコイン・イーサリアム等のブロックチェーンノード運用用サーバーとして活用し、分散型台帳の維持を実現する
• 高速取引・スマートコントラクト実行・ウォレット管理に必要な計算資源とセキュリティ面の強化
• 機密データを分散ストレージで透明かつ不可変的に保管し、セキュリティを向上させる
• 専用高速プロセッサと組み合わせることで、Dappの大量取引処理も容易・効率的に実施可能とする

Shieldeum脅威対策

Shieldeum Threat Protection（スレットプロテクション）は、Web3プロジェクトおよびコミュニティを様々なネット詐欺やフィッシング攻撃から守るAI駆動型の先進セキュリティソリューションです。GoogleやBingのようにウェブ全体を継続クロールしつつ、ブランド名を狙う特有のリスクにフォーカス。ブランド名を騙る偽プレゼントや偽エアドロップ等の詐欺的行為をパラメータ指定で自動検出し、AIが発見すると即座に提携セキュリティ企業へ通報します。

Shieldeum脅威対策の主な特徴

• 多様な詐欺被害から対象プロジェクトと利用者を包括的に保護する
• AIによる連続ウェブ監視で、新たなサイバー脅威にもリアルタイム対応し、急変する暗号資産環境でも最新の保護を提供する
• 信頼性の高い大手サイバーセキュリティ企業と協業し、検出後の迅速対処でエコシステム全体の安全性を高める

Shieldeumミニアプリ

ShieldeumミニアプリはTelegramで展開されており、DePIN（ディーピン）が生み出す利回りをもとに様々なアクティビティ参加でノード報酬を獲得できます。ゲーム感覚でポイントを集め、これをShieldeumノードの利回りに変換します。シーズン終了時に累積ポイントに応じて利回りが分配されます。

ポイントシステム

• デイリー報酬：毎日ポイント獲得でランキングをアップする
• 8時間サイクル報酬：8時間毎に追加ポイントが付与される
• 友人招待：Telegramグループ招待で双方にポイント、Premiumユーザーにはボーナスが付与される
• タスク：ツイートの「いいね」やシェア等のコミュニティ活動でポイントを獲得する

Shieldeumステーキング（ノード）

Shieldeumノードプール（ステーキング）は、SDMトークンのステーキングによるネットワーク支援と報酬獲得の仕組みです。任意額のSDMトークンをプールに預けることで最大年率40%（APR）の報酬を獲得できます。アンステーク（アンステーキング／引き出し）はいつでもペナルティなしで実施可能ですが、申請後トークン引き出しまで2ヶ月の待機期間が設けられています。

参加手順

• Shieldeumノードプールページからウォレットを接続する
• 希望額のSDMトークンを入金して報酬獲得を開始する
• ダッシュボードで報酬を随時確認する
• 引き出し希望時はアンステーク実行。2ヶ月後に引き出し可能となる

Shieldeum Pad（パッド）

Shieldeum Pad（シールディウムパッド）は、ノード販売・トークン取得をワンストップで提供し、Web3プロジェクト参加を容易にするローンチパッド（Launchpad／ランチパッド）です。Web3スタートアップとユーザーをつなぐため、実需に連動した三段階ティアシステム（Silver・Gold・Diamond）を導入し、積極的な関与を促進します。ティア分類はSDMステーキング量に基づきます。主な特徴は次の通りです。

• トークン・ノードへの優先アクセス：Web3プロジェクトのためのトークン・ノード両方を一度に購入できる
• 簡単なノードデプロイ：購入後は数クリックで自動デプロイ。技術面の作業はShieldeum Padが一括管理する
• 早期参加特典：有望なDePINプロジェクトへ早期参加でき、特典トークン・割安価格・プロジェクトへの関与機会を提供する
• 高い信頼性とセキュリティ：全DePIN案件は厳しい審査を経て掲載され、違法プロジェクトやリスクを低減する

Shieldeumロードマップ

Shieldeumは2024年に主要マイルストーンを完了し、2025年計画も公開しています。2025年はWeb3・分散型インフラ分野で革新的なプロダクトやサービスの提供を目標とした意欲的なロードマップを掲げています。計画されている主なマイルストーンをまとめます。

Shieldeumトークン（SDMトークン）概要

Shieldeumトークン（SDMトークン）はShieldeumエコシステムのネイティブトークンで、利用者参加のインセンティブ付与やネットワーク運営の円滑化など多様な用途を持ちます。SDMはデフレ設計で、現在はBNBスマートチェーンとEthereumチェーンで発行されており、供給量の逓減による希少価値向上も見込まれています。主なユーティリティは下記の通りです。

• サービス手数料決済：SDMはShieldeumエコシステム内の各種サービス提供の主要決済手段で、スムーズな決済を実現する
• プロトコル利用料：Shieldeumプロトコルを導入する企業は仮想通貨または法定通貨で利用料を支払うが、スマートコントラクトにより自動でSDMへ変換される
• SDK提供：Shieldeum開発ツールの利用にはSDMを用い、API利用料は従量課金となる
• 保有者特典：100ドル相当以上のSDM保有者はEPNサービスが無償利用できる
• ノードローンチパッド：SDMをステーキングしてティアポイントを積み上げ、参加特典や新規案件のアクセス権を獲得する
• ノード報酬：ノードの稼働・アイドル両方でSDMによる報酬を受け取る
• ノードプールステーキング：ノードプールでSDMを預け、参加割合に応じて収益を分配する
• ホワイトラベル割引：SDM決済を導入するパートナー企業に利用料割引を提供する
• 市場買戻し：SDM以外決済は市場買戻し（バイバック）で自動的にSDM化しエコシステムの流動性を維持する
• 流動性ファーミング：LPトークン（流動性提供トークン）をステークしてSDM・USDTを獲得し、SDM/USDTペアに流動性を供給し手数料利益も享受する
• バーンメカニズム：収益の10%でSDMをバーン（Burn／焼却）し、供給量削減・デフレ性強化を行う
• ネットワークガバナンス：SDM保有者はネットワーク運営や意思決定に関与できる

SDMトークノミクス

SDMトークンノミクスは、サステナブルかつデフレ性に優れたエコシステム設計方針に基づいています。主な仕様は以下の通りです。

主な仕様：

• トークン名：Shieldeum Token
• ティッカー：$SDM
• 供給総量：10億枚
• 発行ネットワーク：Binance Smart Chain／Ethereum
• 規格：BEP-20／ERC-20
• 用途：ユーティリティ
• エコノミーモデル：デフレ型
• 供給ポリシー：バーン実施

まとめ

Shieldeum DePIN（ディーピン）は従来のセキュリティ基準を一新し、高度なセキュリティと利用者報酬を両立する新たなモデルを導入しています。ネットワーク参加によって、ユーザーは高品質なセキュリティを享受しつつ、貢献度に応じた報酬も得られるエコシステムが実現されています。